こんにちは、行政書士の富永です。今回は、ドローンの飛行日誌についてお話ししたいと思います。
飛行日誌とは？
「飛行日誌」とは、無人航空機を特定飛行させる者が、飛行・整備・改造などの情報を記載したもので、2022年12月5日から施行された改正航空法で義務化されました。
飛行日誌は、
- 飛行記録
- 日常点検記録
- 点検整備記録
の3種類で構成されており、それぞれに記載すべき事項があります。
飛行計画と飛行日誌の違い
「飛行計画」とは、無人航空機を特定飛行させる前に、飛行の日時や経路などを国土交通大臣に通報する制度です。飛行計画の通報は、飛行の安全性や空域の利用状況を把握するために必要なもので、通報しないと30万円以下の罰金が科せられます。
「飛行日誌」とは、無人航空機を特定飛行させた後に、飛行の実績や整備の記録などを記載する制度です。飛行日誌の作成は、飛行の履歴や機体の状態を管理するために必要なもので、記載しないと10万円以下の罰金が科せられます。
つまり、
- 「飛行計画」は飛行の前に
- 「飛行日誌」は飛行の後に
それぞれ必要な情報を記録するということです。飛行計画と飛行日誌は、無人航空機の運航に関する法体系の一部であり、ドローンの安全な運用と社会実装を目指すための制度です。
飛行日誌の対象者と対象飛行
飛行日誌の作成が義務付けられる対象者と対象となる飛行は以下のとおりです。
- 対象者：技能証明を受けた者、国土交通大臣の承認を受けた者
- 対象飛行：特定飛行
特定飛行とは、人口集中地区や高度150m以上の空域での飛行や、夜間や目視外での飛行などを指します。特定飛行を行う場合は、飛行計画の通報と飛行日誌の作成の両方が必要です。飛行計画とは、飛行の日時や経路などを国土交通大臣に通報する制度です。
飛行日誌の記載方法と様式
飛行日誌の記載方法と様式は以下のとおりです。
- 記載方法：紙やデジタル形式で作成できる。独自様式や専用アプリを使用してもよいが、記載すべき各事項が網羅されており、各様式と同じような形で表示や印刷が可能であることが必要。
- 様式：飛行記録、日常点検記録、点検整備記録の3種類があり、それぞれに必要な事項が定められている。国土交通省のホームページから各様式のダウンロードができる。（当ホームページでもExcel版の飛行日誌を無料でダウンロードできます）
飛行日誌の記載は、飛行の前後に行う必要があります。飛行の前には、日常点検記録を作成し、飛行の安全性を確認します。飛行の後には、飛行記録と点検整備記録を作成し、飛行の実績や機体の状態を記録します。飛行日誌は、飛行の前後に作成したものを一つにまとめて保存することが必要です。飛行日誌はその無人航空機が無人航空機登録原簿に登録されている間、保管することが義務付けられています。
飛行日誌の作成を怠った場合の罰則とリスク
飛行日誌の作成を怠った場合の罰則とリスクは以下のとおりです。
- 罰則：飛行日誌を備えない、記載しない、虚偽の記載をする場合は、10万円以下の罰金が科せられる。
- リスク：飛行日誌がないと、ドローンの総飛行時間や整備状況が把握できず、定期的な点検や修理ができなくなる。また、事故や重大インシデントが発生した場合に、原因究明や責任の所在が明らかにならない。さらに、ドローンの信頼性や社会的受容度が低下する。
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まとめ
ドローンの飛行日誌は、ドローンの安全な運用と社会実装を目指すための重要な制度です。ドローンを飛ばす方は、飛行日誌の作成を忘れずに行いましょう。それでは、また次回。
