空港周辺での飛行は、必ず許可が必要⁈

飛行予定の場所が空港周辺になっているかどうか、飛行するのに許可が必要かどうか、調べないで飛行してはいけません!飛行前に、かならず調べてください。
調査するのに便利なサイトやアプリは数多くありますが、一番基本的な方法をご紹介します。

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飛行予定場所を国土地理院のサイトにて検索

下の画像では例として、飛行予定場所「東京都中央区明石町」で検索しました。

地理院地図 / GSI Maps|国土地理院

地形図、写真、標高、地形分類、災害情報など、日本の国土の様子を発信するウェブ地図です。地形図や写真の3D表示も可能。

(小さくて見えづらいのですが)ブルーのフラッグで示されているのが、飛行予定場所です。

左側の一覧を見てください。

「人口集中地区 平成27年(総務省統計局)」という箇所がブルーにハイライトされていますね。これにより「画面の赤くなった場所は人口集中地区ですよ」との判別がつきます。

これだけでは、空港周辺かどうかは分かりません。

どうすればよいかというと、一覧の「空港等の周辺空域(航空局)」のところをクリックしてハイライト表示させてください。

すると、こういう表示に変わります。

緑で表示されているのが、「制限表面」と言われる部分になります。

「制限表面」は総称で、丸くなっているところは「円錐表面」、三角の部分は「進入表面」「転移表面」などなどです。円の中心部に線が交わっている部分、ここが空港等の滑走路部分となります。

周辺地域をクローズアップしてみましょう。

このように警視庁等の重要施設にはヘリポートが設置されています。
こういったヘリポートも空港等に該当します。それ以前に「小型無人機等飛行禁止法」により規制されているエリアですが、今回は「航空法」による規制についてお話させていただきます。
さて、下の画像をご覧ください。さすが東京ですね。多くの空港やヘリポートが設置されていることがわかります。

この中で検索した飛行場所、ブルーのフラッグで示された場所はいったいどの空港等の制限表面下にあるのでしょう!

よーく見ると…、「東京国際空港」となります。羽田空港ですね。

滑走路が4本設置されていますね。

これで、飛行予定の場所である「東京都中央区明石町」は「東京国際空港」の制限表面下であり、ここを飛行するには航空法によって規制されている「空港等周辺飛行」について許可を取る必要があるのでは?というところまで来ました。

と、ここで終了ではありません。実は…この場所を飛行する際の高度によっては「空港等周辺飛行」の許可を取る必要はないのです!!

いったいぜんたい、高度何メートルまでなら許可がいらないの?そう思ったあなたは、察しのよい方ですね。それを知る方法を教えます。

それは、「羽田空港高さ制限回答システム」というサイトです。

このサイトで、ふたたび飛行場所を検索してください。すると下の画像のように表示されます。

「地図上のマークの近くをクリックすると、以下に制限高が表示されます。」と書いてありますね。なので、飛行場所をクリックします。

すると…

はい!こちらです!

よーく見ると、「制限高(標高)」は「約225m」とありますね。

「225mまでなら飛ばしていいんだ!」

「ちょっと待って!!」そうではありません。

標高225mという制限高を決めている制限表面というのは、空港等の滑走路地点が基準になっています。

実際の飛行場所での飛行可能高度を知るために、まずは滑走路地点の標高を調べます。

下の画像を見ると3.2mですね。

3.2という数値は、地理院地図で十字を移動させて滑走路の場所に置き、画面左下の白い矢印をクリックすると表示されます。滑走路が4本あるので、一番低い地点を採用しました。

次に、飛行場所で飛行可能な高さを知るために飛行場所の標高を調べます。

2.2mですね。

この場所で飛行させるために「空港等周辺」の許可が不要である飛行高度を求めます。

まず、滑走路地点と飛行場所地点の標高差を求めます。

3.2-2.2=1.0m

飛行場所の方が標高が低いです。そのため、この1.0m部分も飛行可能高に含めます。

225+1.0=226.0m

こちらが飛行場所地点での飛行可能な高さです。

ただしこのギリギリまで飛んでいいというわけではなく、「ここより10m以上低ければ『空港等周辺』の許可は不要です。」と、この空港を管轄している空港事務所である東京空港事務所から説明を受けています。微妙な高度で判断できない場合は、空港事務所に問い合わせてください。

しかも、お気づきかと思いますが150mを超える飛行高度の場合には「150m以上上空飛行」の許可が必要です。そのためには、管制空域に関する調整も必要になります。こちらはまた、別の機会にご説明させてください。

空港等の周辺飛行については、この制限高以外にも指定空港周辺に関する規制もありますので、注意してください。

その他ご質問等、お気軽にお問合せフォームからお寄せください!
お待ちしております。