2020/9/29(火)Japan drone 2020 初日に参加!!
コロナの影響により延期になっていた、ジャパンドローン2020が千葉幕張メッセにて9/29・30の両日開催となった。
当相談室スタッフが初日に参加し、その熱気を肌で感じてきたので興奮冷めやらぬレビューをここに記す。
■大型ドローンブース
10時より入場開始となり、いち早く会場内へ。いきなり目に飛び込んできたのが大型ドローンブース。
全長8mもの大型ドローン。テラ・ラボが開発した機体で、防災はもちろん監視、情報収集もこなす。これだけの大型の機体で飛行可能時間は10時間と非常に高性能だ。飛行ルートを設定することで自律飛行も可能。
もはやドローンは空の世界だけの話ではない。この帆船型ドローンの動力は見たまんま、「風」。自動操縦時に風力を利用する事により、電力の消費を最大限減らすことが出来る。通常、海でドローンを飛ばすと海風などの影響もあって、満足な飛行時間とは言い難い。まして落下する可能性もある。しかし、この帆船型ドローンであれば洋上を数時間単位で自律航行が可能だ。漁業支援から海洋探査まで活躍を想定している。
■スイス製 SDO50V2
こちらはエアロファシリティー社が代理店となり販売するスイスメーカーの無人ヘリコプター。全天候型で何とカメラはライカ製、監視・捜索・点検・物資輸送などの任務をこなす優れもの。
お値段何と4500万円!450万円ではなく、45,000,000円!!
実際に国内での使用例があるのか気になるところ。
値段に見合った活躍が出来るかどうかが今後の課題だ。
■球体型ドローン ELIOSシリーズ
ELIOS 1 ELIOS 2
球体型のドローン、ELIOS。こちらは人間による点検が難しい場所(土管内、下水道内、煙突内など)の点検で活躍する優れもの。今まで紹介したような大型ドローンが屋外での広範囲な点検等に活躍する一方で、このELIOSは狭い空間内で酸素濃度が低い場所や、地下鉄の線路内などに活用される。カーボン製の安全ガードで機体や対象物への損傷を減らし、LEDライトで照射出来るなど痒い所に手が届く装備も魅力的である。
また真上から真下までカメラが動くことも特筆すべき点だ。
お値段は400万円前後との事だが、長い目で見た時のコスパなどを考えるとお買い得なものと言えるだろう。
■㈱松屋R&D ドローン用エアーバッグ
株式会社松屋R&Dのドローン用エアーバッグ。個人的には日本のドローン業界はこういうサードパーティーによるアクセサリを充実していくのにも力を注ぐべきだと思っている。
記憶にある限り安全策としてプロペラガードではなく、エアーバッグは初めてではないだろうか?
いつの日か、このエアーバッグがあるなら第三者上空もOK!と国交省にお墨付きをいただけるようなものになればと切に願う。
ただ、いくらエアーバッグがついていてもやはり落下は怖いのでパラシュートをつけてみてはどうだろう?と思ったが余計な装備だろうか。
それでも本製品の装着により、催し物やライブ会場などで第三者の上空を飛んで撮影可能になれば、エポックメイキングな商品になると言えるだろう。
■㈱センチュリー 災害・救命用ドローン D-HOPE3
こちらはセンチュリー社の災害・救命用ドローン「D-HOPE3」。外付けのオプションも豊富で、拡声器を装着させた場合、トランシーバーからの音声を流す事で避難誘導や、遭難者・救助対象者への呼びかけも可能だ。このドローン、本当に面白い。外付けのオプションが豊富で、
公式HPより捕獲ネットモジュールの動画を引用する。明らかに暴徒鎮圧用だが、広義の意味で「災害・救命」だと思いたい。
■SDGsとドローン
ドローンとSDGsも決して無関係ではない。これからの地球や我々人間の未来を考えた時、クリーンエネルギーや技術革新などドローンが活躍し、担っていく分野、リードする分野も多いだろう。
今はまだ街中には電気自動車の充電スタンドの数は少ないものの、これからの未来で物資を運ぶドローン専用の充電スタンドが街中に溢れるかもしれない。
■ドローンサッカー
ドローンサッカーというドローンを使った新種の競技。測量や点検、監視など実用的な面以外での可能性を教えてくれるもの。ちなみに本来ならもっと広いバスケットコートのような場所で行うので、よりダイナミックに白熱したものが見られるだろう。
ドローンでボールを運ぶというものではなく、イメージとしては球体型のドローン自体をボールに見立てて、輪をくぐることでゴールするというもののようだ。
是非ともe-sportsなどのようにメジャーなものになってほしい。
■水中ドローン FIFISH V6S
ドローンの定義とは何なのか?無人「航空機」というものなら、これは厳密に言うとドローンではないのだろうか??などといった疑問も、このFIFISH V6Sの前では吹き飛んでしまう。それだけの活用性、魅力が溢れる製品だ。
このアームを操作出来るというのが、ドローン界にとってエポックメイキングなものになると断言する。もし、アームが付いていない普通の水中ドローンであればただの監視・探査レベルのもので終わっていただろう。アームの操作は水中における「実作業」をも可能にしている。
普通ならば、水中ドローンで点検などを行ってから人間が潜って作業を行うというものが、水中ドローン1つで点検~実作業までこなすことが出来るのだ。
もちろん、複雑な作業や水中でもあまりにも重たいものを運ぶなどに限界はあるものの、これからの可能性に大きく期待したい。無線操作が可能にもなれば更に飛躍する製品であることに間違いない。
■ドローン・カンブリア爆発
カンブリア爆発
Weblio辞書 デジタル大辞泉 カンブリア‐ばくはつ【カンブリア爆発】
古生代カンブリア紀の初頭、約5億4千万年前から5億年前頃に、今日見られる動物の門の多くが一気に出現した現象
生命の進化においては今から約5億年前くらいに、今日見られる動物の門(言ってみれば先祖みたいなもの)の多くが一気に出現した。それに倣って考えるとドローンの世界におけるカンブリア爆発はいつだったのだろうか?そもそも過去形として考えて良いのかどうかもわからないのだが。
2010年にフランスのparrot社がリリースしたAR Drone。
それまではドローンと言えば軍事用というものだったところに、一般向けの空撮ドローンとして同製品を発表した。現在では当たり前になっている、スマホで操作出来る画期的なものだった。
3DR社のドローンもあったものの、結局その後はDJIがドローン市場で大活躍し、現在に至っている。
そう考えると2010年以降、現在もまさにドローン・カンブリア爆発の真っ只中に我々は身を置いていると言っても良いのだろうか。
ドローンの世界の話だけではなく、例えば物資を運ぶことを考えれば物流の世界における時代の転換期だとも言えるし、映像の世界で言えば空撮が手軽に出来るようになって作品の作り方が変わった転換期だともいえる。もちろん農業や測量、観測、点検など多くの分野もドローンというものをキッカケにして次のステージに進んでいる。
更にドローン=無人航空機という概念にパラダイムシフトが起こったかのように、今回紹介したヨット型や水中ドローンなども登場し、空を飛ぶだけの世界では終わらなくなった。
この先、地中をモグラドリルのように掘り進んでいくドローンが出てきてもおかしくはない。
ただ、空撮・災害・救助・監視・農業・警備・物流などというような想定の範囲の中でドローンが進化していくことを爆発と呼ぶのは正しいのだろうか?カンブリア爆発とは全く予想もしなかったものが突然生まれる事を言うのではないだろうか。
いやいや悲観することはない。現状でも多くの分野で未来が変わっていっている。ポジティブな意味で、まだまだカンブリア爆発はこれから先の未来にやってくると大きく期待している。
来年のジャパンドローン2021でも多くの企業が面白いものを展示してくれるのを楽しみにしていよう。
まとめ
民間のドローン熱は一向に冷める気配は無く、これから更に盛り上がっていく!!