▼江ノ島を飛ばしたくなったら…まずは機体登録を!!(2021/11/29)
※2022/6/20から航空法改正によって、様々な空のルールが変わりました。本記事を含めて、記事作成時と状況や規制は変わっていることもありますので、国交省などの最新情報を併せて必ずご確認下さい。
私はこうして江ノ島周辺の海でドローンを飛ばします。
▼2021/1/18NEW▼本記事の動画をアップしました
※今回の記事はあくまで当相談室の独自調査、当相談室のケースによるものです。皆様それぞれのケースで変わってくる部分はありますことを予めご承知おき下さい。
※長いのでお時間に余裕がある際にお読み下さい。
※初心者でもベテランでも「海で飛ばしてみたい」という方にピッタリです。
※各海水浴場開設期間中に関しては、飛行が許可されない可能性が高いのでニュースや自治体からの公式発表などをご確認下さい。
最初に結論を書きます。
江の島(片瀬西浜から海)でドローンを飛ばす際は
①国交省
②湘南海上保安署
③藤沢警察署
上記に連絡(国交省の場合は飛行許可承認申請)する必要があります。もちろんFISSも!
それでは注意事項や詳細などをご説明致します。
ドローンを海で飛ばして、バーン!っていう感じで綺麗でダイナミックな空撮がしたい!!
…ドローンを飛ばしたい理由なんて最初はそんなもんなんです。私もそんなもんでした。
近くのドローンスクールに通って、回転翼3級も無事に取得。
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せっかくだし、長く続けていきたいから…っていう事でいきなりMavic Air 2 フライモアコンボを買ったんです。
最新機種で、ものすごい性能良いし、とりあえずこのセットを買っておけば間違いなし!って感じでした。
早速DIPSで申請作業を進めていくと同時に、海(江ノ島周辺のビーチから)で飛ばすにはどういう許可を取れば良いのかを調べてみることにしました。
まぁ正直余裕でしょと思っていたのですが…。
ネットで調べたんですけど核心を突いた記事はあまりヒットしないんですよ。何となくふわっとした感じの記事しかヒットしない…。
断片的な情報が錯綜する電脳世界の渦の中で私のGPSは反応せず…。
江の島周辺のビーチやドローンを飛ばしたり、あとはMavic Air 2の飛行テストっていう事で海を飛ばしている動画とかはよく見かけたんですけどもそれってどこの誰にどういう許可をとってるのか??それを教えてほしいのに!と。
でもそもそもそういう動画で使用しているのは199g未満の機体なんだろうなぁと哀しい気持ちになりながらも、また私は電脳世界の渦の中へと飛び込んでいくのでした…。
よくネットではDIPSの申請方法を解説してくれる人はいますよね。
でも「ここで飛ばす時にはここに連絡すべし!」みたいなのを教えてくれる人ってなかなか見当たらないんですよ。
もちろん、ケースによって違うから一概には言えないんでしょうけども。
調査開始
結局自分で1から調べていくことにしました。
今回は下記の条件で飛行させるための流れを書きたいと思います。
飛行場所・飛行日時を特定しない包括申請
DIPS許可・承認
人家の密集地域(DID地域)
人や建物と30m未満の距離での飛行
【飛行目的】空撮
個人
目視内
補助者無し
※プロペラガード使用についての補助者なしという意味です※
最大高度40m
Mavic Air 2(200g以上の機体)
プロペラガードあり
【飛行場所】
神奈川県藤沢市片瀬西浜海岸から目視内の海上(下図の枠線内)
説明不足な点がありましたので、改めてご説明致します。
現行ではプロペラガードをつけていても、「補助者は必須」です。
DID地域、人・物件30m未満の許可承認を通す際にプロペラガードを装備させる=補助者なしでOK!ということではありませんのでご注意下さい。
上記の「補助者無しでの飛行」というのはあくまで当方が得た許可承認の一部のものにおける補助者無しというものです。
現行の標準飛行マニュアルを基に飛行させておりますので、それに従うとプロペラガードを装備して飛行する場合においても、補助者の配置は必要となります。
※またテトラポットなども人工物と判断されるものは第三者物件に該当しますので注意が必要です。
例えば海上に浮かぶブイなども厳密に言えば第三者物件…ということになるのでしょう…(2021/6/1追記)
とりあえず最初に上記の条件でDIPSから包括申請を出しました。
どこでも飛ばせるように包括申請をひとまず取得しながら同時進行で、更に江ノ島周辺を飛ばす際の飛行許可取得に関して調べました。
湘南藤沢フィルムコミッション
そもそも江ノ島って…江ノ島っていう自治体があるの?江ノ島観光協会?まさか江ノ島商店街なるものに許可をとらないといけないのか??とか何とか疑問に思いながら、またもやネットの渦の中へ…。
すると湘南藤沢フィルム・コミッションというところに行き当たりました。
これは映画やドラマなどのロケをする際に色々と協力してくれる団体です。
ここに許可を取れば良いのかな?と思って問い合わせてみました。
私「あのー、江ノ島周辺の海上から江ノ島をドローンで空撮したいんですけども、許可ってどうすれば良いのでしょうか?」
FC「基本、江ノ島の上空は飛行NG!周辺海上から島に向けての撮影は可能です。湘南海上保安署に申請して下さい。」
私「そうなんですね。(まぁ島の上空を飛ばすつもりはないけど)あと江の島内の稚児が淵から離発着しても良いですか?」
FC「そこは海岸になるので、藤沢土木事務所に必要書類と海岸一時使用届を提出して下さい。」
私「藤沢土木事務所…?ふむふむ。わかりました。最後に、江の島にも湘南港がありますよね。という事は港湾法が適用されるという事は海上保安庁への連絡が必要ですか?また湘南港への一時使用届も必要なんですか?」
FC「湘南港で離発着する場合は必要です。湘南港への使用届が必要です。」
当初は江の島周辺の海上から江の島をぐるーっと撮影する計画を立てていましたので、島内の上空(真上)を飛行させるつもりはありませんでした。
しかし、今思い返すと「島内の上空を飛行させるつもりはない」と思っていても、「島内の上空を飛行させてはいけないというのを認識しているか否か」という点は非常に大きな隔たりがありますよね。
第三者上空と同じで、島内の真上=第三者の上空になってしまうぞ、と。
ひとまずそれはそれとして、言われた通りに各方面へと連絡してみることに。
藤沢土木事務所
藤沢土木事務所に連絡します。そもそも飛行場所の所有者や管理者のOKが無ければ、飛行させることは出来ないからです。
神奈川県のHPを見ると藤沢土木事務所とは県の出先機関?として以下のような説明があります。
鎌倉市、藤沢市、茅ヶ崎市及び寒川町を所管エリアとして、道路、河川、急傾斜地、海岸、港湾、公園等土木施設の維持、改良工事等の土木事業を実施しているほか、これらの施設にかかる許認可事務等を行っています。
神奈川県HP 藤沢土木事務所
使用許可書とか、申請書様式とか、あとは海岸使用にお金がいるのか?とか…色々聞かないといけない事は山積みです。
「すみません、片瀬西浜海岸からドローンを飛行させたいんですが許可書や海岸仕様書って、どういう様式を使えば良いですか?」
「個人が趣味程度でやるという事なら、特に許可などは必要ありません。」
との返答!よっしゃー!!!
さすがに法人や団体(例えばドローンスクールで海で飛ばす実習のために使いたいとか)の使用だとどうなるかわかりませんが、個人の趣味レベルなら不要との事です。
と、更にここで新事実が…。
「管理はするけども、許可を出す出さないの権限はない。」
立ち位置的に微妙な存在なのでしょうか…管理はするけども決裁権限などは無いという事なのか、よくわかりませんが
とにかく片瀬西浜からドローンを飛行させる際に海岸使用許可書は不要です!
湘南海上保安署
管轄の海上保安署(または警察署)に事前に連絡しておかないと、当日飛行させてたら誰かが「あ!ドローン飛ばしてる!!通報だ!」と通報されるケースが普通にあるようで…そうなってしまうと楽しいフライトも悲惨な目に…。意外と誰かが通報しているというケースはあるようですよ。
「あのー、〇月〇日に片瀬西浜でドローンを飛行させたいんですけども何か申請書など様式はありますか?」
「湘南港は特定港ではないので様式に決まりはありません。なので、様式は自由ですから事前連絡書としてこちらに飛行の2日前くらいまでにFAXを送って下さい。」
特定港(とくていこう)とは、吃水の深い船舶が出入できる港又は外国船舶が常時出入する港をさす。例えば、東京港や米軍基地のある横須賀港など。湘南港は特定港ではないのです。簡単に言うと、割と重要な大きい港っていう感じでしょうかね。
「あ、そうなんですね。じゃあこちらでわかるように作成します。」
「その際、万が一海没させた場合の回収方法も記載するようにして下さい。」
「回収方法??」
「はい。そうじゃないと、海没させてしまったら単純にドローンを海に捨てた事になってしまいますから。」
「なるほど…海にゴミを投棄したっていうことになってしまうのか…わかりました!」
というわけで私は湘南海上保安署に事前連絡書をFAXしました。
飛行場所や日時などの詳細に加えて、海没した際の回収方法も添えてFAXしました。特に問題が無いようなので折り返しの連絡等はありません。
このFAXした紙はキチンと当日持参しておきましょう。何かあった際に「いやいや、ちゃんと事前連絡してるんで」と言えますから。
藤沢警察署
最後に江ノ島周辺を管轄している藤沢警察署に事前連絡をしておきます。
「あのー、今度ドローンを飛行させたいので、事前連絡という事でお電話しました。」
「あ、そうなんですね。では日時や場所などを教えて下さい。」
「はい。〇月×日に江の島の片瀬西浜から、主に海上を飛行させます。」
「わかりました。時間帯は?」
「〇時~〇時の間で、正味1時間くらいの予定です。」
「わかりました。会社名とご担当者様の御名前を教えて下さい。」
「個人です。xxxxと申します。連絡先もこの番号で大丈夫です。」
「飛行目的はどういったものになりますか?」
「趣味です。空撮します。もちろん第三者のプライバシーを侵害するような事もしませんし、決められた法律等は守ります。」
「わかりました。では許可・承認書にある東空運の番号も教えて下さい。」
「東空運第xxxxxx号です。」
「わかりました。あと東空ケンの方もお願いします。」
「東空ケン…?とは…?人の名前ですか…?ワタナベケン?タカクラケン??」
「許可・承認書に記載されているものです。東空検、検査の検です。東空運と2つあると思うんですが…。」
「んー、そんなのあったかな…(必要事項だけメモった紙を見ながら出先で電話していたので)。ちょっと帰って確認して、またご連絡致します~。」
帰宅後、許可・承認書を確認する。
やはり、東空検は無い。
ネットで検索するとやはり東空運と東空検と2つある人、東空運しかない人などが入り乱れている。何か法則があるのだろうか?
無人航空機ヘルプデスク
気になったので、無人航空機ヘルプデスクに問い合わせる。
「すみません、僕の許可・承認書には東空運しかないんですけども…東空検って何なんですか?」
「「東空検」番号は、現在使用されておりません。現在発行されている許可書はすべて、「東空運番号」のみの記載となっております。」
(※2020/10/7時点)
おぉおぉ!なるほど!!じゃあ東空検が無くても問題無いんですね~。
翌日改めて藤沢警察署に連絡して、事情を説明して快く応対頂けました。
藤沢警察署の警備課の方は本当に優しくて素敵な方々です。ありがとうございます。
最後の確認事項
それでは改めてここで確認します。片瀬西浜からドローンを飛ばすために必要な連絡は・・・
①国交省
②湘南海上保安署
③藤沢警察署
④FISS
この4か所です。①と④に関しては前提条件なので、わざわざ書かなくても良いのかもしれませんが念のため書いておきます。
また再度書きますが、あくまで個人レベルでルールに則した飛行をするという前提での話なので、法人や団体でイベントをするために撮影するなどといった事だと話は違ってくるかもしれません。
しかし!!
ここで注意が必要です。江ノ島、特に片瀬西浜や鵠沼海岸はサーフィンをされる方々で混雑します。時間帯にもよるのかもしれませんが基本的にいつでもサーファーさんはいらっしゃいます。
ですので、初心者の方は特に安全に注意しながら飛行させるようにしましょう。
そして今回は片瀬西浜という藤沢市の管轄なので藤沢警察署への事前連絡となりましたが、七里ガ浜など鎌倉市になると話は変わってきますのでご注意下さい。
※各海水浴場開設期間中に関しては、飛行が許可されない可能性が高いのでニュースや自治体からの公式発表などをご確認下さい。
まとめ
江ノ島周辺の海(片瀬西浜海岸など)を飛行させる場合は、藤沢警察署と湘南海上保安署に事前連絡をしておくのを忘れないように!
次回の記事もお楽しみに!
▼初心者の方は是非こちらをご覧ください